恋愛の条件
(何で、胃が痛かったのわかるのよ……)


そんな風に理解しないで欲しい……

そんな風に優しくしないで欲しい……


(どうしてわざわざ手をつなぐの?こんなことでドキドキして……嬉しくなる……)


奈央は、泣きそうな顔が見えないよう束ねた髪を下ろし、握られた手をぎゅっと握り返した。

お店なんて決まらなくていい、このまま一緒に歩いていたい、そう望んでしまった。

奈央がどんなに押しとどめようとしても修一への想いは加速するだけのように思えた。


3年前がそうだったように……



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