恋愛の条件
8.すれ違い
サイバーマイクロ社とのプレゼン後は、相変わらず業務は忙しかったが、何事もなく数日が過ぎた。
修一と片桐はサイバーマイクロ社のプレゼンが好評で、アメリカ本社が興味を持ち、新たな業務締結の為にニューヨークへと飛んだ。
修一がいないおかげで、奈央はここ数日にない穏やかな日々を過ごしていたが、心にぽっかり穴があいたような虚しさを感じていた。
その穴は奈央が思う以上に大きく、修一の存在が奈央の心の中に深く侵食していることを嫌でも気付かされた。
距離を置くには丁度よかった、と安堵していたのに、その会えない時間が距離が逆に奈央の気持ちを加速させた。
------たった一週間。
会いたい、声を聞きたいと奈央の心が修一を求めていた。
「今日、片桐キャップと黒沢チーフが帰って来るんですよね?」
腕を大きく広げ、背伸びをしながら五十嵐が尋ねた。
「そうね……」
(すごく帰って来て欲しいような、もう二度と帰ってきて欲しくないような……)
「何か連絡ありました?」
「いいえ、何にも!!」
そう、連絡が全くなかったことも、奈央の心を乱した。
「どうなったんだろ?上手くいったのかなぁ?」
「山内課長には連絡しているそうよ……」
(電話の一本くらいしてくれてもいいじゃないっ!)
奈央がイラついた様子でキーボードを叩いていると、そう言えば、と五十嵐が身を乗り出してきた。
修一と片桐はサイバーマイクロ社のプレゼンが好評で、アメリカ本社が興味を持ち、新たな業務締結の為にニューヨークへと飛んだ。
修一がいないおかげで、奈央はここ数日にない穏やかな日々を過ごしていたが、心にぽっかり穴があいたような虚しさを感じていた。
その穴は奈央が思う以上に大きく、修一の存在が奈央の心の中に深く侵食していることを嫌でも気付かされた。
距離を置くには丁度よかった、と安堵していたのに、その会えない時間が距離が逆に奈央の気持ちを加速させた。
------たった一週間。
会いたい、声を聞きたいと奈央の心が修一を求めていた。
「今日、片桐キャップと黒沢チーフが帰って来るんですよね?」
腕を大きく広げ、背伸びをしながら五十嵐が尋ねた。
「そうね……」
(すごく帰って来て欲しいような、もう二度と帰ってきて欲しくないような……)
「何か連絡ありました?」
「いいえ、何にも!!」
そう、連絡が全くなかったことも、奈央の心を乱した。
「どうなったんだろ?上手くいったのかなぁ?」
「山内課長には連絡しているそうよ……」
(電話の一本くらいしてくれてもいいじゃないっ!)
奈央がイラついた様子でキーボードを叩いていると、そう言えば、と五十嵐が身を乗り出してきた。