恋愛の条件
(本当に……?結婚?考えなかったわけじゃないけど……)


修一と自分が?

奈央の頭の中は混乱していた。

まさに盆と正月、親戚の冠婚葬祭が一気にふりかかったようだ。

確かに自分はずっと修一に片想いしていた。

3年ぶりに再会したのが1ヶ月前。

数時間前に修一の気持ちを知って、

そして……今私プロポーズされている?


「ねぇ、修……」

「何だよ?」

「私が断るかも……とか思わなかったの?」

「全然」


(なんて自信家……)


「言ったろ?奈央は俺のもんだって?」

ここまでくると怒る気力もない、と肩を落とす。

「いつから?いつからそんなこと考えてたの?」

「この仕事の話が出た時点では漠然としか考えてなかったけど、日本に帰ってきて奈央と会った瞬間、色々考えていたことがぶっとんだ……」

「ぶっとん……だ?」

修一はいつの間にか奈央の膝の上に頭を乗せ、奈央の髪に指を通しながら言葉を続けた。

「俺の中には3年前の奈央しかいなくて、その記憶だけじゃ正直不安な部分もあった。でも、奈央と再会して、初めて会った時以上に、今の奈央にまた惹かれた。すんげぇいい女になってて、俺は奈央を絶対に欲しいって思った」


(////そ、そんなことさらって普通に言わないでよ……)


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