恋愛の条件
誰もいないことを確認し、山内課長は奈央をミーティングルームへと案内した。
「体調はもういいの?」
「はい……」
「昨日はいきなり倒れるからびっくりしたわ。大きい仕事が続いて疲れが溜まっていたのね?」
「そうみたいです。以後気を付けます」
「昨日の件だけど……」
これが本題だと、山内課長が奈央と向き合う。
「は、はい……」
「今朝、黒沢チーフから聞いたわ」
「……えっ?」
「とても残念だわ。あなたなら私のいい片腕になってくれるって思っていたのに……」
「課長……」
「私、あなたのことはすごく買っていたのよ。クライアントに対する気配りや、アフターケアも評判よかったし。片桐キャップのような技術肌ばかりじゃダメなのよ。私たちの仕事は一つのクライアントと長くつきあうことになるから、きめ細かい対応ができる広瀬さんみたいな人が、男だらけの海外開発部に必要だと思ったの」
「そんな……恐縮です」
(そんな風に思われてたなんて……ちょっと感動)
「体調はもういいの?」
「はい……」
「昨日はいきなり倒れるからびっくりしたわ。大きい仕事が続いて疲れが溜まっていたのね?」
「そうみたいです。以後気を付けます」
「昨日の件だけど……」
これが本題だと、山内課長が奈央と向き合う。
「は、はい……」
「今朝、黒沢チーフから聞いたわ」
「……えっ?」
「とても残念だわ。あなたなら私のいい片腕になってくれるって思っていたのに……」
「課長……」
「私、あなたのことはすごく買っていたのよ。クライアントに対する気配りや、アフターケアも評判よかったし。片桐キャップのような技術肌ばかりじゃダメなのよ。私たちの仕事は一つのクライアントと長くつきあうことになるから、きめ細かい対応ができる広瀬さんみたいな人が、男だらけの海外開発部に必要だと思ったの」
「そんな……恐縮です」
(そんな風に思われてたなんて……ちょっと感動)