恋愛の条件
3.再会、そして再開?
3日後----
沙希が言った通り、奈央に海外開発部へ異動の内示が下った。
異動までの1週間は、引き継ぎや担当していた営業先への挨拶で、目まぐるしく過ぎていった。
裕樹とのこともいつの間にか記憶の片隅に追いやられていた。
「広瀬さん、このクライアントだけど……」
あぁ、またか、と隣の席の沖田を見やる。
「どうしました、それが?」
余所行きの笑顔を貼り付け、うんざりする質問に丁寧に答える。
「ありがとう。広瀬さんがいなくなったらどうしようか……」
自信無さ気に隣の男はへらへら笑う。
奈央の一番嫌いとするタイプの男だ。まず、友人の沙希なら、返事すら返さないだろう。
奈央はいつもそつなく仕事をこなし、人当たりも良い。
故意にしてきたわけではないが、プライベート以外はある一定の距離感を保ちたいという思いがそうさせていた。
だから、次にこの男が口にするであろう言葉を遮るように微笑む。
「沖田さんなら、大丈夫ですよ。それに私の変わりにもっと優秀な相田さんが来られますから。彼女綺麗だし歓迎会が楽しみですね?」
そう言うと、相手の返事も待たずに席を立った。
沙希が言った通り、奈央に海外開発部へ異動の内示が下った。
異動までの1週間は、引き継ぎや担当していた営業先への挨拶で、目まぐるしく過ぎていった。
裕樹とのこともいつの間にか記憶の片隅に追いやられていた。
「広瀬さん、このクライアントだけど……」
あぁ、またか、と隣の席の沖田を見やる。
「どうしました、それが?」
余所行きの笑顔を貼り付け、うんざりする質問に丁寧に答える。
「ありがとう。広瀬さんがいなくなったらどうしようか……」
自信無さ気に隣の男はへらへら笑う。
奈央の一番嫌いとするタイプの男だ。まず、友人の沙希なら、返事すら返さないだろう。
奈央はいつもそつなく仕事をこなし、人当たりも良い。
故意にしてきたわけではないが、プライベート以外はある一定の距離感を保ちたいという思いがそうさせていた。
だから、次にこの男が口にするであろう言葉を遮るように微笑む。
「沖田さんなら、大丈夫ですよ。それに私の変わりにもっと優秀な相田さんが来られますから。彼女綺麗だし歓迎会が楽しみですね?」
そう言うと、相手の返事も待たずに席を立った。