恋愛の条件
「あぁ、片桐キャップ、こいつここで素直に返事しても、基本ジャイアンなんで変わりませんよ?」

押し黙る修一の代わりに山下がのほほんと答える。

山下にとしては大真面目に言っているのだが、そのどこか緊張感の無さが、しんみりとした空気を和らげてくれた。

「あぁ、俺もそう思うな」

「2~3年後には呆れられて離婚ですよね~?」

ドカッ、バコッ

修一はテーブルの下でもう一度山下の足を蹴りあげた。今度は両足を思いっきり。

「いってぇ……お前今日二度目だぞっ?」

「おいっ、てめぇさっきから何調子こいてんだ?」

「いいじゃんかよっ!調子こくって、俺はお前の先輩だ、先輩!」

「見えねぇな」

先輩と後輩というより、小学生同士の喧嘩だ。

「くっそ~お前一人幸せになりやがって」

「お前は彼女がいんだろうがっ!」

「黒沢……」

「何すかっ!?」

修一は山下を羽交い絞めにしながら片桐を見た。


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