恋愛の条件
マンションの前でタクシーが停車すると、ドアが開かれるのも待っていられないくらいの勢いで修一はタクシーから降り、エントランスへと走っていった。


(12時半か……奈央起きてるよな?まさか寝てないよな?)


ガチャ……

「ただ今。奈央……?」

修一は肩で呼吸を整えながら奈央の姿を探した。

リビングにもキッチンにも奈央はいない。

まさか今日に限って先に寝たのだろうか?


(ありえねぇだろっ!いつも眠い目こすって待ってるくせにっ!寝てたら起こしてやるっ!!)


修一がベッドルームのドアに手をかけようとした時、調度バスルームのドアが開かれた。

「あれ?修、思ったより早かったのね?先にお風呂入っちゃったわ。修も今から……キャッ……な、何!?」

バスローブをまとい、髪を拭きながらバスルームから出てくる奈央を修一は思いっきり抱き寄せた。


(奈央のくせに何俺のこと焦らしてんだっ!!)


< 329 / 385 >

この作品をシェア

pagetop