恋愛の条件
4月1日----
奈央は両手いっぱいに荷物を持ち、新しい部署の扉の前で大きく深呼吸した。
少し汗ばむ手で荷物を落とさないようゆっくりドアを開ける。
「本日付で営業部一課から異動となりました広瀬です」
(……って誰も聞いていない?)
奈央は入口にポツンと一人立ち、段ボールの山に囲まれたオフィスを見渡した。
頻繁に鳴る携帯を受けながら引っ越し作業を率なくこなしていく男性社員達。
自分の他に二人ほど女性社員はいるが、上司なのだろうか、ビシッとブランドスーツを着こなし、他の男性社員とひけをとらない。
奈央は両手いっぱいに荷物を持ち、新しい部署の扉の前で大きく深呼吸した。
少し汗ばむ手で荷物を落とさないようゆっくりドアを開ける。
「本日付で営業部一課から異動となりました広瀬です」
(……って誰も聞いていない?)
奈央は入口にポツンと一人立ち、段ボールの山に囲まれたオフィスを見渡した。
頻繁に鳴る携帯を受けながら引っ越し作業を率なくこなしていく男性社員達。
自分の他に二人ほど女性社員はいるが、上司なのだろうか、ビシッとブランドスーツを着こなし、他の男性社員とひけをとらない。