恋愛の条件
「奈央、濡れた髪が色っぽい」

「だって、ハァ……修が……ぁ……乾かせて、くれないから」

「どうせ濡れんだからいいだろ?」

「あぁ……イヤ、あん……」

修一の舌と指の動きに奈央は力が抜けたように身体を預け、トロンとした瞳で修一を見つめる。


(うっわ、やべぇ……スウィッチ入った!めちゃくちゃ苛めてぇ)


「そうだよなぁ、俺やっぱ勝手だよな?明日早いし、やめた方がいいよな?」

「えっ……?」

修一の以外な言葉に奈央の身体がピクンと固まる。


(ぶっ!わっかりやす……ダメだ、とまんないな)


「今日山下に言われた。奈央のこともっと考えてやれって、奈央のこともっと大事しろって」

「裕樹、に?」


奈央の眉間に小さく皺が寄る。


(吹き出しそうだ。奈央今絶対に『裕樹のヤツ、余計なことを』って思ってる)


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