恋愛の条件
耳元から鎖骨にかけて柔らかな感触が押しあてられ、ひどく熱く感じる。

「こ、こんなところで……アッ……」

「早くタクシーに乗らないと奈央の淫れた姿をここで披露することになるなぁ……」

そう言うと、顎を捉えていた指がすっとおり、奈央のブラウスのボタンの上でとまる。

「な、何考え……ん……」

「どうする?」

「………」

修一の指が奈央のシャツの中に滑り込みそうになった時、奈央は崩れるようにタクシーの中へと逃げ込んだ。

修一はシートの一番端で身を固める奈央に詰め寄り、タクシーの運転手に行き先を告げた。


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