恋愛の条件
「信っじられないっ!」

「何が?すげぇ感じてたくせに?」

「そういうこと、ここで言わないでよっ!」

羞恥に声が震え、身を捩るようにドアに張り付く。

「ぶっ……流石の俺もタクシーの中では何もしないよ?あぁ、でも奈央が期待しているなら別だけど?」

「誰が期待なんか」

タクシーの中が暗くて良かったと思う。

今の自分耳まで真っ赤になっているに違いない。

「ねぇ?」

「ん?」

背もたれに身体を預け、視線だけ奈央へ移す仕草が妙に色っぽく感じ、また体温がる。

「な、何でこんなことするのっ?」

「お前昨日から「何で?」ばっかだな?」

「聞きたくもなるわよ……修の真意が全っ然読めない」


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