雨の中にたたずんで


一生懸命記憶の糸をたどる私の唇に、ゆっくりと優輝くんの唇が重なった。






「いろいろ終わったら、ちゃんと話そう」



見上げた顔はひどく真剣で、私はまばたきもせずにその顔を見つめていた。








あぁ・・・


優一さんにそっくり・・・


奥二重で黒目がちな瞳

すっと通った鼻筋

形の整った薄い唇





違うのは、目尻ある泣きボクロ







それに気がついて、私ははっと我に返る。
< 14 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop