雨の中にたたずんで
でも、先生の気持ちは私に向いてなかった。




卒業式の1ヶ月前。


先生は奥さんを失っていたから。




私はそれでも良かった。


大好きな大好きな人と初めてしたその行為は

一生で一番大事な思い出になると思えたから。





「ごめんな・・・初見」




最後に聞いた言葉は、それだけだった。


「ありがとう、先生。バイバイ」



私は溢れる涙をぐっとこらえて、先生に手を振った。






それで終わるはずだった。


そう、もう終わったはずだったのに。


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