雨の中にたたずんで
先生はすぐにルームキーを持って、私を迎えに来た。

「おいで」

そう言って差し出された手につかまり、指定された部屋へと滑り込む。

でも部屋の中を見渡す前に、私の視界は遮られてしまった。

「会いたかった・・・」

先生の腕の中に閉じ込められ、私はそっとその背に手をまわした。

「・・・・聡子」

初めて呼んでくれた名前に思わず胸がいっぱいになる。

先生は私の腰を抱き寄せ、そっと私のあごを持ち上げた。

吸い寄せられるように唇が重なり、荒々しく服を脱がされる。

私は恥ずかしくてどうしていいかわからずに、されるがままに先生のキスに酔いしれていた。

少しアルコールの匂いがするキスに、私もふわふわした気分になる。

「・・・聡子・・・」

折り目なくぴしっと張られたシーツの上に、素肌のまま横たえられると

先生の手と唇がゆっくりと全身に触れていく。

鎖骨をなぞり、両方の膨らみを寄せるようにして柔らかさを確かめる。

「・・・んっ」

その間も先生の熱い舌が一番触れて欲しいところを避けて動いていた。
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