雨の中にたたずんで
「ねえ、ずっと思ってたんだけど・・・大丈夫?」

朝、職場に到着するなり、事務局長が私のところに来て囁いた。

私は数年前から自分がいた大学の事務局で仕事をしている。

ここは優一さんのツテがあって、紹介してもらった職場だった。

事務局長とは大学時代の同期だったと聞いている。


「え?大丈夫ですよ?」


私は局長に微笑んでみせる。

でも、なんだか自分でも違う気がする。

「笑えてないわよ?」

局長は腰に手を当てて、大きくため息をついた。

「今日はお昼であがっていいから。少し休んだら?」

「え、でも・・・」

今は大学入試に向けて準備の時期で連日皆遅くまで残業している。

「本当、大好きだったのね、雨宮くんのこと」



あ・・・
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