雨の中にたたずんで
局長は私が優一さんの教え子だったことは知っているけど

恋人だったことまでは知らない。


私が黙っていると局長は私の肩に手を乗せて言った。

「いい?局長命令だから!」

ぽんぽんと肩を叩かれ、私はしぶしぶうなづいた。





「あのーすいません」





そこに窓口のほうから学生が呼びかけてくる。

「あ、はい!」

私は慌てて席を立ち、窓口のほうを振り向いた。





・・・・あ。






そこにいたのは、なんだか複雑そうな表情をした優輝くんだった。
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