雨の中にたたずんで
不意にあの夜のことを思い出して、胸の奥のほうがドクンと脈打つ。

私は慌てて胸に手を当てた。


「ん?どうかした?」


局長は胸に手を当てている私を不思議そうな顔で覗き込む。


「あっ、い、いえ」


なんだろう、今ドクンって・・・・





「顔はそっくりでも優輝くんは優輝くんよ」


「え?」

局長はつぶやくようにそう言うと、局長室を出て行ってしまった。










優輝くんは優輝くんよ




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