雨の中にたたずんで
一週間ぶりに入った部屋は、一週間しか経っていないのに

すっきりと整頓されている。





「ここ、俺が住むことになったから」



優輝くんはドアを閉めながらそう言うと、私の後ろをすり抜けてキッチンへと入っていく。


カーテンや家具はそのままだったけれど、優輝くんの荷物なのか

見たことのないインテリアがいくつかあった。




「座って」




いつも座っていたソファーに腰をおろす。


優輝くんはインスタントコーヒーを持ってきて、テーブルの上に置いた。


そして、すっとそのまま寝室に入ると何かを持って出てくる。


「ん」


差し出されたのは薄い紙を3つ折りにしたもので

開きながら、心臓が止まりそうになった。
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