雨の中にたたずんで
「思い出した?」


そう言いながら優輝くんは私から体を離す。


「あの日よりずっと前から、好きだったよ」


そう言いながら、優輝くんは私の服を脱がせていく。

「電車の中で会ってから、ずっとずっと見てた」

再び優輝くんの前に晒されて行く素肌は、まだ暖房のきいてない部屋の温度に小さく震える。

「ずっと、あなたが欲しかった」

優輝くんは私の服をすべて脱がせると、膝の裏を抱えて自分のほうに引き寄せる。

「あっ」

そのまま再びつながると、優輝くんは服を着たまま私をぎゅっと抱きしめた。

「こんなことしてる俺は狂ってるかな」

徐々に腰の動きが速くなり、私は優輝くんの腕の中で体を反らす。

「・・・聡子さん」

優輝くんの唇が必死に呼吸を繰り返している私の唇を塞ぐ。

でも腰の動きは弱めずに、どんどん私を押し上げていく。





どういうこと?


私は朦朧としてきた意識の中で必死に考えようと

思いをめぐらせた。


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