雨の中にたたずんで
「・・・優輝くんは、優一さんじゃないよ。私、ちゃんとわかってる」
優輝くんはそのまま動けずに私を見つめている。
でも、私の中にいる優輝くんは時折ピクリと震えていた。
「だから、もっと教えて。優輝くんのこと」
そう言って、そっとその唇に自ら唇を重ねた。
軽く触れて離れると、今度は優輝くんが上半身を起こす。
そして、私の腰をぐっと引き寄せた。
「ああっ」
優輝くんの首に腕をまわしたまま、私は仰け反る。
自分が上にいる分、奥まで届いて少し苦しくなった。