雨の中にたたずんで
「・・・優輝くんが好き」
私は思わず言葉を漏らした。
あの日から、私が優輝くんに一度も伝えていなかった言葉だった。
「・・・本当、に?」
優輝くんも驚いた顔で私を見つめる。
私は、そんな優輝くんにそっと微笑み返し
まるで誓いの言葉のようにこう言った。
「私、初見聡子は病めるときも、健やかなるときも
生涯、雨宮優輝を愛していくことを誓います」
優輝くんは言い終わるか、終わらないかのうちに
傘を手放し両手で私を抱きしめた。