恋結び【壱】
しばらくあたしは寒い外気に触れることなく遥に抱き締められていた。
込み上げてきた感情を徐々に落ち着かせる。
「落ち着いた…?」
あたしは小さく頷き胸から顔を上げた。
遥は目を細くして笑う。
「ここは寒いから部屋に入ろうか」
そう言って遥はあたしの手を引き神社の裏側を回った。
そこには木造の家が建てられてあった。
あたしはその家の存在に驚くと遥と二人で中に入ってった。
中は落ち着いた雰囲気をしていて何より暖かかった。
「お邪魔します…」
「お構い無く」
あたしは靴を脱いで揃えた。
するとあたしの身体は宙に浮いた。
「これからどうする?」
怪しげな笑みを浮かべた遥があたしに問い掛ける。
あたしは唖然としていた。
「お風呂、入る?」
「あ、あたし、入ってきたから……って、あれ?」
お風呂に入る。
今は夜。
イコール……。
……おっ、お泊まり!!??
「……もしかして、あたし…」
「帰さないよ?泊まってけば?」
遥は愉しそうにあたしを抱き抱えたままどこかに行った。
「ほ、ほえ~~~……」
――――…
「どうですか?」
遥があたしに聞く。
あたしは恥ずかしそうに頷く。
「だ、大丈夫…かな」
「似合いますね、浴衣」
「ど、どうも…」
パジャマ変わりに遥から浴衣を借りた。
遥のだからダボダボしているが遥の匂いがして嬉しかった。
そして。
遥の手首にはあたしがあげたブレスレットがキラキラと輝く。
あたしは顔を綻ばせると遥が何やら不満そうな顔をしていた。
「…下着は着てますか?」
「い、一応……」
「今すぐに脱ぎなさい」
「はっはいぃ!!??」
遥のナチュラルなセクハラを受けるあたし。
あたしは顔を赤くしながらも必死に抗議する。
「し、下はマズイでしょ!!」
「なぜ?どうせ脱がされるのに」
「………」
い、い、い、い、い、い、い、い、い、い、い、いまいま今、なんておっしゃいましたぁ!!!!???
「あ、固まった。かわいー」
「…しょ、正気…ですか?」
すると。
パチ。
電気が消えた。
真っ暗の中、あたしは何も見えないまま必死にもがく。
「……捕まえた…」
「んっ…は、る…!!」
遥はあたしの唇を塞いだ。