恋結び【壱】
神様はいたんだね。
あたしのそばにも。
『美月ちゃん』
また
あの声で
あの笑顔で
あの温もりで
貴方に名を呼ばれる事が
許されるんだよね。
別れのない、出逢いはない。
なら。
出逢いのない、別れはない。
貴方は教えてくれたね。
『……また、君に逢えるなら……俺はまた……君に恋をするだろう…』
今までの記憶がなくても
あたしのことを忘れていても
あたしは忘れていない。
忘れない。
あの温もりも
あの優しさも
貴方の全ても。
初めて出逢ったように
あたしたちだけの
優しく
甘い
恋の続きをしよう。
遥と、あたし
二人で――――――……