君との記憶 **
『あ"!やべえ』
『どーしたの?』
『傘、教室だった!
俺ちょっととってくるわ』
恭太が手を離した。
『あ!待って!』
『ん?』
一回自分の傘をひらく
『この傘、結構大きいから
一緒に入ろっ!』
『らっきー!ありがとな!!』
そして、
また手を繋いで歩き始める。
相合傘をしたかったって
理由もあるけど、
一番思った事は……
“この手を離したくない”
恭太の温もりを
もっと感じていたい。
一番近くにいたい。
とっさにそう思ったから。
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