出会えてよかった[短]
明美から聞いた病院へ行くと、看護師から聞いた部屋へ向かう。


「…もう驚いたよ。」


「ってかなんでいるんだ?」


「たまたまよ。」


明美とおまわりの声が聞こえてくる。


よかった…。


生きてた。


あれはただの夢だったんだ。


一呼吸置いて、扉を開ける。


「よっ。」


私に気づいたおまわりが声をかける。


「何だよピンピンしてんじゃん。死に損ない。」


心配してたなんて言えないから、精一杯の強がり。


「うるせぇよ。」


よかった…。


本当に…。


怖かった。


夢が現実になりそうで。


そう言えば歌であったな。


鳴り出した電話で夢が現実ものとなったって。


リアルだな。


私の場合は夢で終わってくれたけど。
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