出会えてよかった[短]
おまわりが復帰してから、しばらくは、なんのトラブルもなく、平穏な日々を過ごしていた。

「葵、帰りファミレスよっていこうよ。」


「いいねぇ〜。」


退屈な授業をすべて終えて、私と明美は外へ出た。


正門の前で、美紀が私たちを待っていた。


「よっ美紀。お疲れ。」


そう声をかけて、美紀の顔を見ると元気がない。


「何かあったの?」


明美が声をかける。


「あのね、おまわりに怒られちゃったの。」


「おまわりに?なんで?」


「さっきねおまわりがいるのが見えて、呼んだの。そしたらね来るなって怒られたの。」


「まぁおまわりも仕事中だったからね。ちょっとキツくいっちゃったんでしょ。気にすることないよ。美味しいものでも食べて忘れよう。」


そんなことで、忘れられるのはお前だけだよ。


っと心の中でつっこんでみる。

でもなんかしっくり来ないなぁ。


美紀には甘いおまわりが、仕事中に声をかけられたくらいで怒るかな?


嫌な予感がする。


「美紀…おまわりどこで見た?」


「あっち。」


美紀の指差した方は、ちょうど私たちがこれから行くファミレスの方向だった。
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