出会えてよかった[短]
said AKEMI


隠れててと葵に言われてから、私と美紀は物陰にそっと隠れた。


小さいけれどわずかに様子が窺える。


顔は見えないけど、動きでわかる。


葵とおまわり。
その横には、警察官らしき男の人。

おまわりの同僚かな。

よく見れば、三人と向かい合って、もう一人男がいる。


もう少し近づけるかな。


私は少し場所を変えることにした。


おまわりと葵がたっている後ろに建物がある。


あの影に隠れれば…。


そう思って、移動し始めた直後、銃声が辺りに響いた。


おまわりか、もう一人の警官がが男を撃ったんだ。


きっと向かい合っていた男は、凶悪犯か何かで、パトロールしていたおまわりがそれを見つけた。


そして応援を呼んで…。


そう信じたかったのに…。


おまわりたちのそばに近づきつつあった私の耳には、はっきりと届いてしまったんだ。


親友の名を叫ぶ、おまわりの声が…。
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