出会えてよかった[短]
こいつマジでカツ丼頼みやがった。


「あんな時間に何してた?」


「ゲーセンなんだから、ゲームしかないじゃん。」


「まぁそうか。君には補導歴がないんだね。真面目だったんだな。」


「あんたら警察がどんくさいだけじゃないの?」


そいつは咳払いをした。


「…警察嫌いか?」


「キライ。人間自体大嫌い。」

「…まぁ君のような子は珍しくないけどね。友達とかいないの?」


「いらない。」


「君は全く周りを見ずに突っ走るタイプなんだね。ちゃんと周りを見れば、必ず一人は、君に手を差し伸べてくれるひとがいるもんさ。よく周りを見てみなよ。そうすればわかるから。」

「あんた何?占い師のつもり?あんたみたいな臭い説教するやつって絶対にろくなやつじゃねぇな。」


「バカか。この世にろくなやつなんか一握りいるかどうかなんだよ。けどそんな少ない確率でも、自分の周りに絶対一人はいるんだよ。不思議だよな。」


こいつ良い年してロマンチストか?


気持ちわりぃな。


でも…それが本当なら、私が心を許すべき相手って、いったい誰なんだろう。
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