出会えてよかった[短]
放課後、明美が家に遊びに来ることになった。


帰り道に、いつもの公園を通りすぎる。


ん?なんだあいつら?


最近のガキはやることが、えぐいねぇ。


イジメかよ。


でも、いじめられてるのって、明らかに高校生だよね。


制服着てるし。


でもあの制服ってたしか…。


なるほどね。


エグすぎて話にならないな。


「てめぇら何やってやがる」


ガキどもは、私を見ると散り散りに逃げ出した。


明美が素早く一人を捕まえる。


「人の嫌がることはしちゃダメって教えてもらわなかった?」

「ごめんなさい。」


「二度とやらないと誓うか?」

「はい。」


「じゃぁ行け。」


「もうしちゃダメよ。」


捕まったガキは、仲間を追って走り出した。


「ったく…どこであんなこと覚えるんだろうね。」


「ストレスがたまってんだよ。捌け口が見つからないんだろ」

「だからって…。」


「だから大人がしっかり導いてやらないといけないんだ。でも今皮肉にも子供にストレスを与えてるのは、大人なんだよ。」

明美はそれきり黙ってしまった。


ふと考えた。


あの人ならどうするんだろう。
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