桜の追憶　　短編
「綺麗・・・・」

相変わらず思い出の場所は桜が綺麗に咲いていた。

そして、私はそっと桜並木に沿って歩き出す。

戻ってきたばかりのころは泣きそうになりながら幕末のことを追憶してたな。

そして、毎年悲しみよりも切なさがすこしずつ強くなる。

あの頃より私は少しは大人になった。

最近では、あれからみんながどのように生きていったのか、ということを調べるくらい心に余裕ができてきた。

決して、穏やかな人生ではなかった。

みんなが、それぞれの道、「誠」のために生きたのだ。

私はなんとも言えない気持ちになった。

だって、私が知ることができるのは“その後”だ。

みんなが生きていた”今”じゃない。

それが、たまらなくさみしかった。

なんで、私は幕末にとんだんだろう？

そのことをぼんやりと考えていた。
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