桜の追憶  短編
私は走って総司の胸に飛び込む。

もう、総司は桜の花びらとなり消えたりしなかった。

しっかりと、私を抱きしめてくれた。

「ただいま、朝霧。」

「総司!!!逢いたかったよ・・・・」

「僕もだよ。」

そう言って優しく微笑んでくれる。

ああ、総司だ。

生まれ変わっても総司そのままなんだ。

「もう、病気は平気なの?」

「うん。この時代では元気だよ。なんだか、皮肉なんだけどね。」

そういっていたずらっぽく微笑む。

「元気のほうがいいの!!だって、ずっとそばにいられるもの・・・」

「うん。そうだね。待っててくれてありがとう。」

「当り前でしょう?総司があのとき言ってくれた言葉の意味が理解できても、どうしても総司じゃなきゃダメだったの・・・」

「僕もだよ。朝霧。もうずっと離れないって約束するよ。」

「うんっ!!」

そう言って私たちは静かに口づけを交わす。
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