桜の追憶  短編
「さあ、感動の再会も終わったことだし桜を見ながら飲むかっ!!!な、朝霧?」

「だから、新八さん私飲めませんよー!」

周りのみんなが穏やかに微笑む。

ああ、やっとみんなのもとに戻ってこれた。

過去にはどんなに願っても戻れない。

だけど、私にはこの人たちとの未来がある。

もう一度、新しい思い出を作ろう。

ざあっと強い風が吹く。

私はおもわず目をつぶってしまう。

また、消えちゃう?

そんな言葉が脳裏によぎる。

お願い!!前みたいに消えないで!!

そう願い目を開ける。

すると、みんながちゃんと消えずに目の前で微笑んでくれていた。

「どうしたの?朝霧。」

そして、となりには総司が微笑んでいてくれる。

「っみんなお帰り!!!」

私は涙を流しながら元気よく叫ぶ。

そして、総司と共に歩き出す。

ああ、願わくばこの愛しい人の手がもう二度と離れることが、みんなと離れ離れになることがありませんように。













~fin~
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