Whisper.




「ごめんな」

「…大丈夫だから」




ちゃんと握ったその手を
私は離さないから。




「久しぶりに2人で外出るな。」

「うん…寒いしさ。」




強く握っていた手が一瞬緩んだ。




「どうしたの?」




健太の悲しい顔。



悲しい目。




「…彼奴と同じ事言った。」




健太の目がいつもより悲しそうで、
笑っているのに、笑顔じゃない。



でもね、今一瞬だけ私と彼女さん
別に思ってくれた。



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