Whisper.
「なんで、いなくなっちゃったの?」
「…イジメかな」
「イジメ?」
健太は自分の右手を
見つめて拳をつくった。
「紗南とは、中三の時に付き合い初めて、高校は離れ離れで…高校の時にイジメられてたらしくて…」
声も薄れていって、目も涙ぐんでて
拳の力も更に強くなって…。
辛かったんだねって
ホントは言いたいの。
でも、それってきっと同情になる。
私に出来ることは
話を聞いてあげること。
拳に手を添えること。