Whisper.




「どっか行くか?」

「…嫌だ。」

「なんで?」

「家が良い。」

「…服着ろよ。上着だけってヤバいから。」

「健太もね。上半身裸ってヤバいから。」




お互い顔を見て笑う。



そう。



それだけで幸せなんだ。




「家で良いの?」




お互い服を着て、ソファーに再び
もたれかかる。




「うん。」

「そっか…」

「どっか行きたい所あるの?」




私の髪をやたらに触る健太の手を握った。




「あ…」

「触るから」

「爽那の髪好きー」




健太の手は私の手をちゃんと握って
私の首に健太は顔をうずめた。



< 8 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop