小さなあいつと大きなあたし。



俯く小学生。




ここは私が…っ。




「ごちゃごちゃうっせぇな」




小学生が勢いよく立ち上がった。




「俺、学級委員やる」




「おー、そうか。じゃあ女子は早乙女で、男子が沼田な」




小学生も意外といいとこあるんだなぁ。




「薫ちゃんには優しいんだね〜」




嫌みも込めて言ってみる。




「俺は優しいよ」




「自分で言わないでよ」





反対側の薫ちゃんを見るとうっとり顔で小学生を見つめている。




「か、薫ちゃん?」




「春くん…優しいわ」




この反応は…もしや…。




「次、図書委員やりたいやつ挙手」




「はーい!」




「女子は井川か。男子は?」




「………」




誰もいないの?




寂しいなぁ…。




「悲しいやつだな」




小学生がポツリと言った。




「男子いねぇか?2つやってもいいんだぞ」




誰でもいいから一緒にやってよ!!




「しゃあない…後でまた決めるから考えてとけー」




「俺やっりまーす♪」




いきなり教室のドアが空いて金髪の男の子が入ってきた。




だ、誰!?




「おい、新学期早々遅刻すんなよ…えーっと…」




「小鳥遊郁斗♪」




「そう小鳥遊!早く席着け」




「すみませーん」




悪く思ってないような全開のスマイルで席に着く。




チャ、チャラい…。




「俺の席がないんだけどー?」




「あぁ?そこに椅子あるからとりあえず適当に座れ。後で机持ってきてやっから」




「わかったー」




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