小さなあいつと大きなあたし。



なんか泣けてくる…。




「みず!クラス割出てるよ♪」




「本当っ?」




たくさんの人だかりを見つけて駆け寄る。




「ん〜…見えないよぉ。みず見えるでしょ?ちょっと見てくんない?」




「見えるよ!えっとね…」




ちょっと背伸びをしてクラス表の上の方を見ながら徐々に前に進む。




「痛っ」




誰かにぶつかったらしくとっさに謝る。




「…あ、すみませんっ」




「いえ…あれ?」




ぶつかったところを見ると男子が怪訝そうな顔でこっちを見つめてくる。




「…おばさん…」




は?お、おばさん?




「誰…だっけ?」




初対面のはずなのにあたしのこと知ってるのかな。




てか男子なのに小さいなぁ…。




「覚えてねぇの?」




「へ?」




「おばさん…この前本屋で俺のこと、突き飛ばしたでしょ?」




この前…本屋…?




「あぁ!!あの時の小学生!!」




「小学生?」




「背小さいから小学生だと思った…。小学生…じゃないの?」




「小学生がここにいるわけねぇだろ、おばさん」




「あ、そっか…っておばさんじゃないし!!」




「それはすみませんね,おばさん!」




何よ、こいつ。




すっごくムカつく…。




「みず〜。やっと会えたぁ!…知り合い?」




睨み合う私と小学生を交互に見てる雪ちゃん。




「俺、沼田春樹。よろしく」




「あたしは山村雪乃ですぅ。よろしくねぇ」




「おばさんの友達?」




「おばさんじゃない!…井川瑞穂よ」




「ふーん…よろしく」




なんか雪ちゃんと私とじゃ態度違くない?



「みず、何組だった?」




「ごめんっ、まだ見てない」




え〜っと…私のクラスは…3組だぁ!




雪ちゃんは…うそ…。




「みず、泣きそうな顔してどうしたの?」




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