小さなあいつと大きなあたし。
「クラス…離れちゃったよぉ…」
雪ちゃんも人の減った掲示板を見上げる。
「あー…本当だ。見事に離れたねぇ」
「うぅ…やだぁ…離れたくないよぉ」
「おばさん…3組?」
「…うん…」
「山村さんは?」
「あたしは6組」
「はぁ…うそだろ…」
「…なんで溜め息ついてんのよぉ…っ」
「…俺も3組。おばさんと一緒」
「もうやだぁ…学校行きたくないぃ…小学生と一緒なんてやだよぉ…」
「は!?俺だっておばさんと一緒なんて嫌だよ!!」
「2人共、そんなこと言わないで仲良くしなさいよ。沼田くん、みずをよろしくね」
「山村さんに頼まれたら…仕方ねぇな…」
この小学生の反応は何?
…もしかして?
「みず、いつまでも泣いてんじゃないよ」
「うん…」
「そろそろチャイムなるから急いだ方がいいかも!終わったらクラス迎えに行くから待っててね」
「…うん」
「じゃあね2人共!!」
「じゃまた!」
笑顔で去っていく雪ちゃん。
満面の笑みで手を振る小学生。
立ち尽くして泣いてる私。
…何、この絵面。
「はぁ…」
雪ちゃんがいなくなった途端、小学生が大きな溜め息をもらす。
「おい、おばさん」
「…何よ」
「山村ってモテんの?」
「…さぁね」
もうこれからの学校生活が最悪としか思えない。
「あぁあ…」
「ほら、行くぞ。おばさん」
「痛…っ、ちょっ」
思いきり腕を捕まれ、教室に引きずられていった。