Bad Bye
*第四章 灰*
逃げたくて。
 
ただ、逃げたくて。
 
現実という悪夢から逃れたくて。
 
僕は走っていた。
速く。速く。誰よりも速く。
 
風よりも、雨よりも、雲よりも。
 

僕の、このたった一つしかない体から
精一杯の唄を叫ぼう。
 
赤い赤い唄を叫ぶよ。
本当の自分を自分で絶って
溢れ、こぼれる命を天高く上げて
僕は空へと舞い上がる。
 
 
堕ちていくのも

きっとこの星。

きっとこの地球(ほし)。
 
きっとひとりぼっち。
< 13 / 13 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop