裏切りの足音
「ふぅん…。あっ、お前の両親には了解を得たから」

「やった♪ 流石は次期当主さま!」

「ついでにシヅキとルカが泊まるからな」

「えっ!? 何で?」

「お前をフロに入れるのに、男手がないとダメだろう?」

「ぶ~!」

「十五にもなって、ふくれるな! それにシヅキのメシは美味いぞ?」

「なら良いケド」

ケロッと表情を変えたリウに呆れながらも、マカは裏切り者のことで頭がいっぱいだった。

裏切り者は幹部にいる、という説は正しいだろう。

そして恐らくは、自分の考えも正しいことをマカは気付き始めていた。

それがどんなに残酷な結末になろうとも、裏切りは許してはいけない。
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