裏切りの足音
人や動物に自分の気を込め、思い通りに操るのが能力だった。

思い通りに動かせる内容や時間は、込めた力の分量による。

だがリウはその力を使いこなしており、自由自在にいろいろなモノを操作できるようにまでなっていた。

おそらくカズサは最初に強い力を込められた。

その後、用がある時だけ『操作』され続けたのだろう。

『操作』された相手は、その間の記憶を失う。

つまり証拠が残らない。

しかし今回は幹部から情報が洩れていることが分かっていた上、『操作』能力を使うリウが、疑わしい人物の側にいれば、そんなに難しい推理でもなかった。

「…いつからマノンに協力していたんだ?」

「実はマカがマノンを見つける前、だったりして」
< 22 / 31 >

この作品をシェア

pagetop