裏切りの足音
つまり昔の【擬態】事件の始まりの頃には、二人は出会っていたのか。

「僕も彼も体が足りない存在だからね。何となく、気が合ったんだよ」

「情報はいつからだ?」

「マノンがここを出て行ってから。足りない体を補う為に、情報が必要だって頼まれて」

ではこれまでマノンが介入してきた事件、全てがリウからの情報だと思っていいだろう。

「お前は他人をどんなに犠牲にしても、その足を動かしたかったのか?」

「当たり前でしょ? 生まれ付き、この足がいっそのこと無かったのなら、諦めもつくよ? でも存在するのに動かないなんてバカな話、簡単には受け入れられなかった」

そんなくすぶった思いの中、マノンと出会ってしまったのか。
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