裏切りの足音

同属との再会

ピンポーン

「ん? 客か?」

ヒミカとアオイから裏切り者の存在を教えられてから数日後、マカの住むマンションに来客が訪れた。

インターホンには、意外な人物が名乗り出た。

『マカ、いる? 僕だよ』

「リウ!? ちょっと待ってろ」

マカは慌ててエレベータで一階に降り、玄関まで行った。

「アハハ、久し振りだね。でも何も降りてこなくても良かったのに。玄関だけ開けてもらえれば、一人でも上がれたよ」

「お前の場合、そうも行かないだろう? リウ」

マカがリウと呼ぶ少年は、車椅子に乗っていた。

彼は生まれ付き、下半身に障害を持ち、一度たりとも自分の両足で歩いたことはなかった。

マカのマンションはセキュリティはしっかりしているものの、障害者にはあまり優しくない設計だ。

< 7 / 31 >

この作品をシェア

pagetop