記憶混濁*甘い痛み*3
逃げられないように、嫌われないように、そっと、そっと。


「深山咲、さん?」


一昨日逢った友梨と、いま目の前にいる友梨は、同じ記憶を持っているのだろうか?


和音は確信が持てないまま、目の前の友梨の言葉を待つ。


すると友梨は静かに。


「条野さん…リズって女の子、ご存知でした?」


と、聞いてきた。


和音は軽く首を振って、いえ…と、答える。








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