〜 YOU & ME 〜

隣町は静かで平和な町

潮風

かけぬけてゆく紫色の風

砂浜
姉の赤龍の腕を抱え 雷電は静かに座ってた





向こうのほうから片腕が途中からちぎれてる女の子がやってくる

「何泣いてるのよ 腕くっつけてよ 自分でもできるけど雷電がくっつけてよ」
赤龍は意地悪そうに笑ってた
雷電を見つめる眼からは嬉し涙が流れてた

白い砂浜

少年は少女の腕の細胞組織をくっつけた


荒れ果てた荒野と化した江戸シティ

切なく太陽の光を照り返すガラス

1命をとりとめた赤龍2号

雷電の額から赤龍2号のバラバラの体に電流が走る

「赤龍は?」「海岸で休んでる

あんたと一緒にここを眺めてくるようにだってさ」
「赤龍のいうことは何でも聞くんだね」赤龍2号が初めて微笑む

寂しげな破片が埋め尽くす町

「出来損ないどうし学んで来いってさ」「何様だよって感じだよね」笑いあう2人

死体がない

人々の死体がない

死体の血はおびただしく残ってるのに

肩に置かれる赤龍と寸分たがわぬ赤龍2号の手
「さようなら わたしは新しい場所で創造者イブになるわ」

雷電は見送ってた
超高速で一条の光となって宇宙に向かって飛びだってゆく赤龍2号を

宇宙をつきすすんでゆく赤龍2号

眼や"眼"は 頃合いのよさそうな惑星を捜してる



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