〜 YOU & ME 〜
海岸―

「何を見た?」赤龍の意識が雷電の意識を捕まえる
「誰もいない…俺が…殺してしまった人たちが…」
切なく光る海岸の砂浜

〜死んでる人々の顔が曇りガラスの凹凸みたいで よくわからない〜

雷電は赤龍に説明を求めた

赤龍は雷電の手を握った




約3万年前 プログラムそのものだけでコンピューターが形成される時代

その宙に浮いたコンピューターから霊が沢山出てくる

赤龍はチョコレートに似たものをバクバク食べてた
頭に透明のヘルメット
体にはギリシャ神話の神々が着てるようなローフ゛を着てる

赤龍が意識を集中すると透明ヘルメットが電流でいっぱいになる

透明ヘルメットにつながってる透明管を 生きてるかのような電流が泳いでゆく

枠のないコンピューターに無数のデータが流れる

沢山の霊が生成されてゆく

彼らは培養液のプールに入ってゆく

へこたれて休んでた赤龍は起き上がり 額から培養液のプールに電流を流す

老若男女さまざまな人間が世界中に散らばって行った




"力"を使いすぎた赤龍は死にそうになった

1つの赤く透明なカプセルには雷電が入ってた
キョトンとしたまま

赤龍が唯一 超然脳力を使わずに創った人間

唯一自分の細胞をコア・カートリッジに注入して創った人間

雷電の完成を見届けられずに赤龍は幼児退行して死を免れる

約3万年の時の中 "力"を使いすぎては幼児退行しての繰り返し

海の中で魚を食い荒らして成長しては陸に上がっての繰り返し


約3万年後 ドイツ
スカーレット超然科学研究主任「魚を食い荒らしながら泳いでる女の子を連れてきたわ」赤龍は自分のドジに舌打ちした

スカーレットから逃げ出し研究所を飛び出した赤龍は「やってらんない」速攻で海に飛び込んだ

海水を飲み込み魚を食いまくり やがて再成長する





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