〜 YOU & ME 〜
「きょとんとした赤龍がこんなにいっぱいいるのよ
雷電がここにいたら大喜びだろうね」
「はいっ 閣下」
隣の部屋には透明テーブルに美容健康食が並べられ始めた
彼女ら高官たちの普段のランチである
透明の椅子に1人1人こしかけてゆく…
この銀色の壁におおわれた会議食堂室のスクリーンが 映る
この戦艦の近くの建物の屋上で 赤龍がバクバクチョコレートを食べてる
「久しぶりに本人ね よく見ときなさい」高官たちの眼はいっせいにスクリーンの中のサボり魔に注がれる
さすがに麗帝も青ざめた
どんな透視も通さない特殊金属の舟壁を突き抜けて
赤龍本人がこっちを凝視してる
フランスパンぐらいの大きさのチョコレートを持ってこっちを見てる
空席の透明椅子が勝手に動くのを麗帝は見逃さなかった
また屋上の中央に戻ってチョコを食べ続けてる
突然さっき動いた椅子が砕けた
高官の1人がスピーカーで聞く「椅子を壊したのは あなたですか?」
赤龍は無視してチョコをバクバク食ってる
「もうやめときなさい」 「でも閣下…」 「いきなり心臓ねらわれたら死ぬよ?!」 「…わかりました」
赤龍はチョコを食い続けていた
教室の窓から麗帝戦艦を見てた雷電は 倒れこんだ
すぐ立ち上がったが教師の指示で保健室に
「原因はなんだね?」眼鏡の奥から校内医師が心配してくる
「透視脳力とサイコキネシスが同時に発現しました」
「そうかそうか 同時は相当きつくないか? まあ休んでなさい」
赤龍はチョコレートを食い続けている
眼の表情には穏やかなほほ笑みが宿っている
そして彼女が喜んでくれてるのが 雷電の視界に見えた
これが 姉貴の使ってる"力"なのか
雷電は自分自身に驚いてた