俺と貴女を繋ぐ場所
「私が委員会に入ってから今まで、生徒の方が此処に来たことがなくて……でも、松本君が来てくれて、とても嬉しいです…。」
今さっきの不安と寂しさが入り混じった表情から、少し顔を赤らめて微笑む表情に変わったのを見て、俺は自分の鼓動が早くなるのを感じた。
そして彼女も言い終わると、一気に顔が真っ赤になった。
少し、ほんの少しかもしれないけど、小日向と同じ気持ちになれたのかもしれない。そう思った。
「嬉しい…か。」
そう言いながら俺は、真っ赤になったであろう顔を隠そうと眼鏡を右手の中指でクイッと上げ、そのまま顔を覆うようにし、小日向から顔を背けた。
「ぁ、ご…ごめんなさい。気を悪くしてしまいましたよね?本当にすみません…。」
小日向は何か勘違いをしたらしく、ビクビクした様子で謝ってきた。
「あぁ…悪い、違う。…むしろその逆だ。」
小日向を安心させたくて、つい本音が出てしまった。
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