俺と貴女を繋ぐ場所

俺はパン２個を食べ終わると、食べるのがゆっくりな智花の横で一息着いた。
やっと智花が食べ終わったのを確認し、ふと時計を見ると昼休みは後１０分だった。

「朝はごめんな。俺、汗臭かっただろ？」

「ううん、全然平気だったよ？」

「そう？あの後、教室戻ってよく考えたら臭かったんじゃないかって焦った」

「そんな…。」

外は肌寒くなってきたとは言え、練習でかく汗の量はハンパじゃない。

「良かった。一安心。…あ、なんか色々噂されてるみたいじゃん、俺。」

「今朝の…こと、だよね？」

「相手が智花だって事、気付かれてないみたいだな」

「そうだね…、良かった。バレてなくて…」

「なんで？」

「だって…松本君、人気者だから…相手がこんな私だって知られちゃったら…」

（こんなって何だよ）
「なんで智花だってバレたらダメなの？俺は、智花が俺の彼女だって自慢したいよ？」

「ダメ…。言っちゃだめ。お願い、誰にも言わないで…」

「…なんで？」

「だめなの…お願い……」

必死にお願いしてくる智花を見て、今朝マサが言っていた事を思い出した。

<お前とあの子が付き合ってるなんて女子にバレたら、それこそあの子、女子のネチネチした嫉みの標的になって、あーでもない、こーでもないって虐められちゃうかもよ？>

（そうだった…）
「分かった。でもこれからは毎日昼休みには此処に来ていい？」

「うん…ありがとう」

智花が周りに俺たちの事を周りに知られたくない理由は分かんねぇけど、とりあえず今は隠すってのが賢明な判断だって事は分かった。


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