俺と貴女を繋ぐ場所
「あ。悪い、俺たちの事知ってるの成澤の他にも居る」
「ぇ……」
一瞬にして智花の顔が青ざめた。
「あ~、言いふらすような奴じゃねぇから。智花のクラスの河本雅貴っての分かる?そいつ中学ん時からの親友っつーの?」
フォローを入れると智花は安心したようだった。
「ぁ、教科書の、ひと?」
「そうそう。あいつ俺と智花の事知ったから、変な気利かせやがって、教科書持ってんのに無いとか言いやがった。」
「そう、だったんだ……河本くん、凄いよね。クラスのムードメーカーで、いっつも中心に居る。素敵な人だと思う…」
(ムカツク。あいつの事そんな風に思ってんのかよ)
「………、」
「…松本、くん?…ひゃっ」
マサに対して無性にムカついたし、こんな可愛い顔であいつの事喋ってる智花にもイライラした。
智花を他の奴と関わらせたくない、そんな事を思って智花をキツく抱きしめた。
「あいつの事、褒めたりするな。素敵とか言うな。」
「ま、つ、…もと、くん…痛い…」
「!?…ごめん」
自分のしている事に気が付き、俺はバッと体を引き離した。
「悪い。大丈夫か?」
「うん…。」
「ごめん、俺、独占欲強いかも。つーか嫉妬深いかも」
「へっ?!」
驚いた表情で見る見る顔を赤くする智花
「智花が“河本くん”って言っただけでもすげーアイツに嫉妬したし、あいつの事、智花があんな可愛い顔して褒めてるの見たら…」
「ぇ?え?」
「俺、すげー智花の事好き。」
「っ!………」
俺が“好き”と言うと、智花はビクッっとし、顔を真っ赤にして俯いてしまった。